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無罪判決⑭ Kenji Oomura


“UMEDONO”






今回無罪判決を勝ち取ったのはジャパニーズ・フュージョンのこのアルバムだった。
おいおい、このアルバムを処分品裁判にかけようって言う事自体が間違いでしょ。
検察(この場合は私の事ですが)気が狂っとる、と思う人も多いでしょうね。


もともと、この頃の和モノ・インスト・フュージョンは好きじゃないんですよ。
嫌いではなくて好きではない。この微妙なニュアンス。
ライヴなら楽しめるんだろうけど、レコードやCDでかしこまって聴けないんですね。全部じゃないですが。

ジャパニーズ・ロック黎明期に共通するような「憧れ」がにじみ出すぎている音。これが苦手。
まだJ-ROCKのようにヴォーカルがあれば良いのですが、インストでは誤魔化しが効かない。


しかしこれは1978年、ハーヴィー・メイソンのプロデュースでバックはまだデビュー前のTOTOの面々やシーウィンドにリー・リトナー、エイブラハム・ラボリエル、グレッグ・マティソンなどそうそうたるメンバーで固められ作られた悪かろうはずがないアルバムなんです。

なんです、けど、やっぱり頻繁に出して聴く作品とはならなかった。
今回久しぶりに最初から聴いてみても、つかみであろうはずの1曲目“left handed woman”のなんともズンチャカズンチャカな日本人的フュージョンをこのそうそうたるバックメン達にやらせている勿体なさが残念過ぎて、初めて耳にしたその残念なイメージが思い出されてしまったのですが、聴き進めて行くうちにこれはしっかりと大村憲司のアルバムなのだと言う事に今更ながら気が付いた。
何か「真似事」感の強かった当時のジャパニーズ・フュージョンと言うイメージが、存在感のある大村氏のギターで見直された思い。著名プロデューサー&ミュージシャンに負ける事なく自分の存在をアピールしたこのアルバムに敬意を表したくなりました。



まぁ、それでも次に聴くのは当分先になるかな。
でもその時のために取っておきましょう。







omurak-kenji.jpg 大村憲司/KENJI-SHOCK (1978)





無罪判決⑬ Angela Bofill





“The only thing I would wish for”





今年ももう終わり。毎年毎年感じている事ですが本当に輪をかけて速かった。
いや、速すぎるっっ


いよいよ来年は引っ越しをする予定なのですが、こうアッと言う間に時が過ぎると来年の今頃も同じ事を言って、何も変わらず一年が過ぎていくような気もするし。でも家財整理は粛々と進めていかなければなりませぬ。

今年最後の無罪判決は(日本の金子総本店代表を除き)初めての女性シンガー。その名はアンジェラ・ボフィルでした。
彼女のアルバムは何枚か持っていますが、このファースト・アルバムはその昔は地味なイメージを持っていて好きではありませんでしたね。もっと洗練されたアレンジになったその後のアルバムの方がどちらかと言えば良く聴いていたクチで、最後までコンテンポラリー・ジャズシンガーのスタイルを貫いたこの1stはどうもピンと来なかったわけです。しかも、まだ若いAngieはそんなに歌が巧くなかった。いや、技術的にはそんなに下手な歌手ではなかったのだけれど、まだまだその唱法が自分のモノにできていなかった、と言った方が良いかな。ジャズ・シンガーとして売り出したい意図と歌の実力がしっかり噛み合っていない印象でした。


しかし、歳を重ねた今あらためて聴き直してみる。彼女の歌は決して変わることはないのだけれど、売れるポップ・シンガーではなくこの道に真摯に向かっていく若きアンジェラ・ボフィルのヴォーカルの生真面目さに惹かれていくことに。この嗜好の変化。自分が大人になったのかそれとも子供だったからなのか。この良さがわかるようになればまだまだこれからのリスナー人生も楽しみが増えるはずですね。


その中で今回ご紹介するのはプロデューサー、デイヴ・グルーシンお抱えのフルーティスト、デイヴ・バレンティンと最初から掛け合う“The only thing I would wish for”、今年のシメはこれで。


それではみなさん良いお年を。



ANGIE.jpg Angela Bofill /angie (1978)





無罪判決⑫ Billy Cobham





“electric man”by Billy Cobham & NOVECENTO feat. Brian Auger



不要CDを処分し始めてから1年が過ぎ、売った枚数は100枚を超えた。
売却金額も十数万になると、これはもうBOOK OFFなんて行ってられないなと。オークション万歳\/
これが一通り終わると売れ残りをざっくりまとめ売りして、次はアナログレコード盤の処理へと続く。
まだまだ果てしない作業となるわけですが、引っ越しのためにそろそろスピードを上げていかなければならなくなって来ました。

さてさて今回処分を免れたのはビリー・コブハム。
あー、これも買っていたなあ的なこのアルバムはイタリアのジャズ・ファンクユニット「NOVECENTO」とのコラボレーションで、ジノ・ヴァネリがゲスト参加しているのでついポチッとしてしまったのですが一、二回聴いてそのままになっていたのかな。まぁだいだいのCDはそんな感じでipodに取り込むまで行く曲はそんなに多くはないわけですが、存在そのものまで忘れてしまうともうこれは処分対象にまずなるわけです。

聴き直してみるとジノはまぁいいとしてのっけからかなり骨っぽいインストが飛び出す、それはもう7~80年代フュージョンを彷彿する渋さなんですね。
ビリー・コブハムのテクニカルなドラムがしっかりと音の柱となっていて、それはもうイタロ・フュージョンの枠を超えた仕上がり。曲名や歌詞も全て英語になっているのであくまでもこれはビリー・コブハム側から仕掛けられたモノなのだなと。
ゲストもジョージ・デューク、ジョン・スコフィールドなんてまるでコブハム-デュークバンドの再来みたいなところからイタリア圏でもおなじみのブライアン・オーガーやヴォーカルでジノの他にチャカ・カーンも参加と豪華。
しかし音は今のアメリカでは出せないハイパー・ヨーロピアン・フュージョンとなっていて、アルバム作りに対するコブハムの思惑がすぐに伝わって来るものとなっていますね。

いやー、このNOVECENTOのベースラインいいなぁ。画像を見る限り女性プレイヤーですね。やるやる!



billycobham3.jpg Billy Cobham & NOVECENTO/Drum n Voice vol.3 (2010)





無罪判決⑪ Earl Klugh


“magic in your eyes” by Earl Klugh



↑ちょっと興味深い映像でした(笑)


ご存知、アコギ・フュージョンの第一人者、アール・クルーが今回裁判のテーブルに上がった。
アール・クルーはそれこそ少年時代には良く聴いていた人ではあったが、もはやインスト物からはとんと離れている自分としてはこの天気予報だとかインフォメーションのBGMといった印象が強くなってしまったこの類の音楽はもう必要ないのではないか、と考えていました。

でもね、いざ聴いてしまうとやっぱり手放すにはいかなくなる魅力があるんですよね。

グレッグ・フィリンゲインズが全編的に鍵盤でサポートしているので、40年弱を経た今でも音の洗練度はさすが。何しろ録音が良いので流していても苦にならないんですね。
昔の音楽って曲の内容のわりには音が良くないものがあってそれは聴いていてもちょっとつらい。古い録音がそのまま味になる音楽なら良いのですが、フュージョンはそれじゃダメなんですね。
その点このアルバムは非常に耳ざわりの良い録音になっていて、それこそ一生モノにできるのではないかと。

ブッカー・T.・ジョーンズのプロデュース、珍しくジーン・ダンロップがドラムスを叩くアルバムと言うところもチョット、いいですね(笑)。

試しにアマゾンで中古盤価格を調べたらびっくり。15,000円近くになっていました。
そんな値段で買う人はまずいないでしょうけど、いつでも売っていれば手を出さないけど、いざ廃盤となると手元に置いておきたくなる。
そんな心理と言うか需要からその価格になっているわけです。

自分も何か今回そんな気分。このアルバムもめでたく無罪放免となりました。




earlklugh-magicinyoureyes.jpg Earl Klugh/magic in your eyes (1978)





無罪判決⑩ Andraé Crouch





“you gave to me”






最近のはわかりませんが、こと70年代のブラック・ミュージックにハズレは少ない。

だから処分品裁判にかかるのは白人系音楽が主になってしまいがちなのですが、それでも黒人系がまったく無いわけではなく、今もこうしてジャッジにかかっているCDが隣に堆く積まれているわけでありますが、今回処分を思いとどまったのがアンドレ・クラウチ。

まぁゴスペルですから?信者でもなんでもない自分はその雰囲気だけを楽しむには適度にコンテンポラリーでうってつけのアーティストだったわけです。この人のアルバムは何枚も持っていますが、クルセイダーズやデヴィッド・T・ウォーカーらを集めた名盤「Take ma back」後に出された今回のこの「This is another day」は少し地味な存在として自分の中では位置づけられていたのでした。
でも、何なんでしょうこの、いざ聴いてしまえば気分が良くなってしまうこの音楽的にも質の高い楽曲の数々は。

もちろん、ジーザスだのハレルヤだのがてんこ盛りなんだけど、そんなものは超越した音楽的魅力がやっぱりこのアルバムにもあるんですね。もちろん、曲の配置も練りに練られた素晴らしい構成。



次に聴くのは何年後かわかりませんが、めでたくこのアルバムも無罪放免となりました。



acrouch-thisis.jpg Andraé Crouch & DISCIPLES/this is another day(1977)



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Author:mars
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