FC2ブログ

Latest Entries

無罪判決㉑ AZYMUTH










正直な話、ラテン系フュージョンのアルバムはあまり持ってはいなかった。嫌いではないし、聴けばそれはそれで心地良かったりするんだけど、なぜか手が出ない部類の音楽である。それは自分がいまだ現役世代で、もっぱら音楽を聴くのは通勤・帰宅の電車の中か、排気音やタイヤの走行音が響きまくる静粛性の「せ」の字も無いローバー・ミニの車内、このどちらかと決まっているからなんだろう。アジムスのシンプルな編成による清涼感漂うインストルメンタルは、これまでの僕においては聴くシチュエーションが少なかったのだ。嫌いではないんだけど聴く機会に恵まれなかった。良いバンドとは知りつつ、ブラジルのジャズ/フュージョンならこのバンドとはわかってはいても、どうしてもネットでポチッとするのは他の音楽になってしまっていた。そしてこれから当分の間においても、だろう。

だから、今回アジムスのアルバムを裁判にかける事になったが、この“fly over the horizon”を聴いてしまうともうダメである。懐かしの「クロスオーバー・イレブン」だ。フュージョンではなくクロスオーバーと呼ばれていたあの時代に「今日と明日が出会う時」と言う粋なキャッチフレーズをクロスオーバーに掛けていた、NHKにしては素敵なセンスを持った名番組。レコードが買えなかった少年時代に毎晩せっせとエアチェックをしていたあの頃が蘇ってしまう。今こうしてブログやHPで好き放題音楽を語れるのもこの少年時代があったからこそなのだ。ついでに若かりし時のさまざまな思い出まで思い起こしてしまった。ダサかったけど、楽しかったあの頃。あ、いや、今が楽しくないわけではありませんが。

そんなアジムスのアルバムを捨てると言う事は、自分の思い出も捨ててしまうような気がする。そして、いずれはアジムスの他のアルバムも集めてじっくりと聴けるような生活になりたいものだと。よって、これも無罪判決。

ほとんど聴くことのなかったアルバムなのに、実は有罪とする理由が全く無かったと言う珍しい判例である。




azymuth-lightasafeather.jpg AZYMUTH/light as a feather (1979)








無罪判決⑳ Bill Meyers





“sky”feat.EW&F






ビル・マイヤーズ。このアルバムもイメージとして黄金期を過ぎた90年代フュージョン、と言った一方的な思い込みからもはや20年前後もCDの山の中に埋もれていた存在だった。

この人と言えばアース・ウィンド&ファイアの白人ブレーンとしてデヴィッド・フォスターと並ぶ、いやそれ以上の貢献をして来た事で知られているがとりわけキーボード・プレイにおいてはDフォスターよりも存在感を出していたと言っても過言ではないだろう。

そんな彼のリーダー・アルバムは80年代中盤から90年代にかけてゆったりとした製作期間を経て数枚発売されていた。これは3枚目にあたる作品だ。
90年代のインストものにはもうすでに魅力を感じなくなっていた自分としては1~2度聴いたきりだっただろうか。とにかく全てにおいて整然とされ過ぎていて、きれいな音色で一曲一曲が並べられているが音は右から左に通り過ぎ何も残らない…といった印象。何と自分勝手な感想だろうか。いやこの人に限らずこの時代から今にかけてのインストものはそのように勝手に決めつけてしまっているところはある。当然今回も裁判のテーブルに上がった。

今回はカー・オーディオとスピーカーを新調した車の中で聴いてみた。つまらないスムース・ジャズと決めつけていた自分勝手なイメージが覆ってしまったのだ。ヴォーカル・ナンバーを適度に挿み、ビルのキーボード・ソロもグイグイ胸ぐらをつかんで来る。聴きながらついついアクセルを踏み込んでしまうようなドライビング・ミュージックとしてもこれはイケそうだ。極めつけはモーリス・ホワイトやフィリップ・ベイリーらも集まったEW&Fメンバーがサポートする“sky”。

なんだよ、かなり良いアルバムじゃないかと。ジュエル・ケースの割れた、おそらくはビルの幼少期ではないかと思う蝶ネクタイをつけた子供の顔が写されたジャケットを眺めながらまたしても無罪判決を下してしまうのでした。


bmeyers-all.jpg Bill Meyers/all things in time (1996)







無罪判決⑲ LINX

続きを読む

無罪判決⑱ CALDERA







今回裁判にかけられたのはカルデラの4th。
日本では英雄伝説と名づけられ、カルデラの作品の中では当時として一番持ち上げられたアルバムだったと思う。
その理由を推測すると前3枚と比べて本作品は全体として統一感のあるラテン・フュージョン作品として出来上がっているからだろう。

しかしながら、自分としては前3枚の方が好きだった。
いや、本当の所はこの前作「time and chance」を初めて手にしてこのバンドを知り、
その時からなんだかその得体の知れないサウンドが良くわからなかった。
それよりもEW&Fの「太陽神」でサウンド・コーディネイトしていたエデュワルド・デル・バリオの名を見つけ、さらにはラリー・ダンまで参加していると言う興味だけで少ないお小遣いを出してレコードを買ってしまったのだ。

そして20年以上も経た大人になってからウェイン・ヘンダーソンのプロデュースによる1stをCDで手軽に手に入れ、さらにはダイアン・リーヴスの歌う「スカイ・アイランズ」の存在を再確認してこのバンドの奥深さがわかり、今でも真骨頂はポップな部分を持ち合わせたラテン・ファンクにあると思っている。だからこそ、ウェイン・ヘンダーソンもラリー・ダンも居ない、キーボードのエディーとギターのジョージ・ストランツがシンプルに主役となった本アルバムのラテン・フュージョン押しは物足らない気がしていた。

しかし時と言うのは恐れ入るもので、齢も50を超えてくるともういい加減ブラック・ミュージックばかりでもないだろ?と言う気になって来る。
今では純粋にインストルメンタルのみと言うアルバムも良いなぁと思えるようになってきた。しかもこの程よいラテン感と70年代後半独特のテイストが溶け合ったクロスオーバー・ミュージック、いやぁ、悪くない。今では何故1stや「time and chance」が国内で発売されずにこの「英雄伝説」がもてはやされたのかの理由が良くわかる。早い話が自分が若かったって事なんでしょうね。




caldera-dreamer.jpg CALDERA/dreamer (1979)






無罪判決⑰ CBA(チャー・ボガート・アピス)






“Lady”(YOU TUBEリンクのみ)





Char関係のアルバムは結構持っていて、それは学生時代に自分がギター・ベース・ドラムスのトリオ・ロック・バンドを組んでいた所も理由ではある。しかしながらチャーとの出会いはもっと前のこと、小学生くらいの頃だったから元々彼の持つ音楽的フィーリングが自分に合っていたのだろう。自分はブラック・ミュージック好きのベースマンだったから、ギタリストであるCharはギター・プレイヤーとしてより、彼の作る音楽の方に興味があったわけだ。


そんな長く親しんできたCharを今回の処分品裁判にかける事は考えていなかったが、やはりどうしてもあまり聴いていなかったCDは存在するわけで、特に3曲前後のミニアルバムやマキシ・シングルはほとんどもう聴くことは無く、すべてファイル化してハード・ディスクに保存しておけば十分ではないかと考えるようになってきた。


さて、フルアルバムの中で今回迷ったのがこのCBA LIVE。早い話がベック・ボガート・アピスの略BBAのベックがCharのCになった限定ライヴなわけだが、これは生で観てみたかった。そんな自分のようなファンの為に発売されたようなチャー・ボガート・アピスのライヴアルバムである。後話でこの限定バンドのティム・ボガートとカーマイン・アピスはあまりやる気を出していなかったとかそれに対しチャーが怒り心頭だったとか言われているが、このライヴを聴く限りではなんの結構熱いライヴが繰り広げられている。



だが、このアルバムに関しては聴き終わった後に消化不良状態に陥るのである。まずは、その内容。ライヴなのに全10曲54分は短すぎる。これは収録できるクオリティの音源がこれだけしかなかったと言うことなのか。(それが前述のやる気云々と関係しているのかどうか)

そして、その構成にも難がある。前半はボガート/アピスが中心となり、チャーがサポートしているような形で、後半はほとんどチャーのライヴになってしまっているように聴こえるのだ。つまり、チャーvsボガート/アピスのような構図になっていて、3人が息を合わせてCBAと言うバンドを確立させているわけではない。しかたがない所だが急拵えの企画ユニット感が否めないのがこのライヴアルバムに現れてしまっているのだ。だからこそこのアルバムは収録できる尺ギリギリ、74分まで音源を詰め込んで欲しかった。BAを数曲、チャーをちょこっとではなく。それだけでこのバンドがCBAたるものであるとともにアルバムに対する評価も変わっていたに違いない。



で、じゃあこのCD処分するの?

いやぁ、ノーです。やっぱり自分はCharが好きだから(笑)。


ここまでコケにしておいて結局そう言うことなのだ。
実はこれが一番言いたかった事かもしれない。



CBALIVE.jpg CBA LIVE (2000)





Appendix

プロフィール

mars

Author:mars
何だここは ここは何だ ヒヒーン

検索フォーム

QRコード

QRコード

(^^)