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無罪判決⑲ LINX

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無罪判決⑱ CALDERA







今回裁判にかけられたのはカルデラの4th。
日本では英雄伝説と名づけられ、カルデラの作品の中では当時として一番持ち上げられたアルバムだったと思う。
その理由を推測すると前3枚と比べて本作品は全体として統一感のあるラテン・フュージョン作品として出来上がっているからだろう。

しかしながら、自分としては前3枚の方が好きだった。
いや、本当の所はこの前作「time and chance」を初めて手にしてこのバンドを知り、
その時からなんだかその得体の知れないサウンドが良くわからなかった。
それよりもEW&Fの「太陽神」でサウンド・コーディネイトしていたエデュワルド・デル・バリオの名を見つけ、さらにはラリー・ダンまで参加していると言う興味だけで少ないお小遣いを出してレコードを買ってしまったのだ。

そして20年以上も経た大人になってからウェイン・ヘンダーソンのプロデュースによる1stをCDで手軽に手に入れ、さらにはダイアン・リーヴスの歌う「スカイ・アイランズ」の存在を再確認してこのバンドの奥深さがわかり、今でも真骨頂はポップな部分を持ち合わせたラテン・ファンクにあると思っている。だからこそ、ウェイン・ヘンダーソンもラリー・ダンも居ない、キーボードのエディーとギターのジョージ・ストランツがシンプルに主役となった本アルバムのラテン・フュージョン押しは物足らない気がしていた。

しかし時と言うのは恐れ入るもので、齢も50を超えてくるともういい加減ブラック・ミュージックばかりでもないだろ?と言う気になって来る。
今では純粋にインストルメンタルのみと言うアルバムも良いなぁと思えるようになってきた。しかもこの程よいラテン感と70年代後半独特のテイストが溶け合ったクロスオーバー・ミュージック、いやぁ、悪くない。今では何故1stや「time and chance」が国内で発売されずにこの「英雄伝説」がもてはやされたのかの理由が良くわかる。早い話が自分が若かったって事なんでしょうね。




caldera-dreamer.jpg CALDERA/dreamer (1979)






無罪判決⑰ CBA(チャー・ボガート・アピス)






“Lady”(YOU TUBEリンクのみ)





Char関係のアルバムは結構持っていて、それは学生時代に自分がギター・ベース・ドラムスのトリオ・ロック・バンドを組んでいた所も理由ではある。しかしながらチャーとの出会いはもっと前のこと、小学生くらいの頃だったから元々彼の持つ音楽的フィーリングが自分に合っていたのだろう。自分はブラック・ミュージック好きのベースマンだったから、ギタリストであるCharはギター・プレイヤーとしてより、彼の作る音楽の方に興味があったわけだ。


そんな長く親しんできたCharを今回の処分品裁判にかける事は考えていなかったが、やはりどうしてもあまり聴いていなかったCDは存在するわけで、特に3曲前後のミニアルバムやマキシ・シングルはほとんどもう聴くことは無く、すべてファイル化してハード・ディスクに保存しておけば十分ではないかと考えるようになってきた。


さて、フルアルバムの中で今回迷ったのがこのCBA LIVE。早い話がベック・ボガート・アピスの略BBAのベックがCharのCになった限定ライヴなわけだが、これは生で観てみたかった。そんな自分のようなファンの為に発売されたようなチャー・ボガート・アピスのライヴアルバムである。後話でこの限定バンドのティム・ボガートとカーマイン・アピスはあまりやる気を出していなかったとかそれに対しチャーが怒り心頭だったとか言われているが、このライヴを聴く限りではなんの結構熱いライヴが繰り広げられている。



だが、このアルバムに関しては聴き終わった後に消化不良状態に陥るのである。まずは、その内容。ライヴなのに全10曲54分は短すぎる。これは収録できるクオリティの音源がこれだけしかなかったと言うことなのか。(それが前述のやる気云々と関係しているのかどうか)

そして、その構成にも難がある。前半はボガート/アピスが中心となり、チャーがサポートしているような形で、後半はほとんどチャーのライヴになってしまっているように聴こえるのだ。つまり、チャーvsボガート/アピスのような構図になっていて、3人が息を合わせてCBAと言うバンドを確立させているわけではない。しかたがない所だが急拵えの企画ユニット感が否めないのがこのライヴアルバムに現れてしまっているのだ。だからこそこのアルバムは収録できる尺ギリギリ、74分まで音源を詰め込んで欲しかった。BAを数曲、チャーをちょこっとではなく。それだけでこのバンドがCBAたるものであるとともにアルバムに対する評価も変わっていたに違いない。



で、じゃあこのCD処分するの?

いやぁ、ノーです。やっぱり自分はCharが好きだから(笑)。


ここまでコケにしておいて結局そう言うことなのだ。
実はこれが一番言いたかった事かもしれない。



CBALIVE.jpg CBA LIVE (2000)





無罪判決⑯ SING LIKE TALKING





“forever”





ほとんど手つかずだったCDの山から見つけた、それこそ掘り出しモノの一枚がこのSING LIKE TALKING/welcome to another world。
彼らの存在はすっかり忘れていましたね。それこそ日本の、ただのAORフォロワーかと。酷い言い方をすれば猿真似グループ的な印象が強く、ファースト・アルバムを持っていた自分はどうもその印象が強すぎて頭から離れていました。

しかし今回取り上げるこのアルバムも買っていたわけですから恐らく自分としても当時気に入った曲があったのだろうと推測します。20年ぶりに聴いてみるとなんだこれは、と。もうすでに単なる洋楽/AORに憧れているだけの拙さが滲む音ではなく、しっかりと彼らの世界観がアルバム一枚通して伝わる力強い存在となっている。いや、アレンジとメロディーのどちらも均整の取れた良曲がこれでもか、これでもかと畳みかけて来る構成に圧倒されてしまうのです。

確かにアレンジは全て「~風」と言ってしまう事のできる、悪く言えばパクリアレンジなのですが、いやいや、そうではない。リスナーがアレンジの元ネタに気づかされながら違和感無くSLTの音として楽しんでしまえるようになっているこの完璧なまでのコナレ感。世界を虜にした7~80年代洋楽/POPへのオマージュがふんだんに詰まっているわけでけっしてオリジナルの素振りはしていない。それどころか全編通じてとてもHopefulで愛の詰まった歌詞と佐藤竹善のヴォーカルによりしっかりとSing LIke Talkingの音楽として完成されているところが素晴らしいの一言ですね。

自分としてのハイライトは中盤の“skylark”~“forever”の流れ。言ってしまえばCHICAGO~EW&Fなんですが、なぜか思い出したのがスティーヴィーの「キー・オブ・ライフ」の中で“Sir Duke”~“I wish”への流れのような、アルバム中盤に飛び道具で盛り上げる構成ですね。もちろんあのアルバムも一曲目から静かに、かつ味わいのある良曲がずらりと並んでいたのですがそれと共通する感覚が自分の中にはありました。

家の片隅に眠ったCD群も本当に侮れないなぁ。ビートルズ、クイーンからEW&Fまで現れる、日本の音楽ユニットによる20世紀POPの宝箱のようなアルバムを20年経ってから発見する事もあるわけですから。




sltwtaw.jpg SING LIKE TALKING/welcome to another world (1997)








無罪判決⑮ 深町 純










今回処分品裁判にかけられたのは深町純。
小学生の頃に夢中になった井上陽水のアルバムでその名を目にしてはいたが、特に意識もしていなかったところかの「オン・ザ・ムーヴ」が現れ自分の中で一気に存在が高まった人でした。
しかし、もうすでに洋楽に嗜好が傾倒していた自分にとっては実のところ深町純と言うより、それに伴なったニューヨークのミュージシャンから引き出されるサウンドに痺れたと言うのが本当であった。海外ミュージシャンがいたからこそ。これは正直なところなのです。

前ポストでも書いたが、和モノフュージョンは苦手だった。
そんなイメージを覆したのが「オン・ザ・ムーヴ」だったのだ。
それでも、あまりにもこのアルバムが傑作であったためにこの深町純と言うピアニストの音楽センスは凄いな、と子供心に刻まれたのもまた事実。

その後、KEEPの諸作なども購入してみたが、やはり「オン・ザ・ムーヴ」を超える衝撃は無かった。
そしてこの「スパイラル・ステップス」をも、だった。

しかしながらこのアルバムは「オン・ザ~」が出る2年前にすでに作られており、日本のミュージシャンがいち早く海外で現地のプレイヤーと録音を行った草分け的な存在だったと言う。それこそ当時は若手だったブレッカー・ブラザーズと共演し、その流れがその後の活動にも結び付いていった記念すべき作品なのだ。

確かに、70年代のクロスオーヴァー・ミュージックである。それも、苦手な和モノテイストもかなり感じられる。
でも、テクニカルなクロスオーヴァーを演奏しつつも深町純の音に深く根差していたと思われる、叙情と言うモノがこのアルバムでも感じられたのは大きかった。これは「オン・ザ・ムーヴ」でも共通の響きがあったものである。これは世界のどのピアニストにも出せない味なのだ。これは何事にも代え難い。これが決定打となりこの2作とニューヨーク・オールスターズの3枚はやはりセットで置いておいた方が良いなと言う結論に至りました。

ちなみにここで全面的にドラムを叩いている村上ポンタ秀一氏がこう述べています。

「俺が24才の時に、深町の『スパイラルステップス』というアルバムで、あいつがニューヨークに連れてってくれなかったら、まずどう考えても今の俺はないよね。」

24歳であのプレイと言うのも驚きですが、まぁそういう事です。

うーん、ちょっとご無沙汰になっていたけど改めて深町純を探求したくなってきたゾ!


spiralsteps.jpg 深町純&ブレッカー・ブラザーズ/スパイラル・ステップス (1976)







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Author:mars
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